【2025 Q1決算】パランティア株価暴落の4大要因と今後の注目ポイント

2025年5月7日

パランティア($PLTR)が好決算を発表したのに下げた要因

昨日の未明(日本時間AM5時過ぎ)に、米国株投資家たちが大注目していたアメリカ軍やCIA、FBIが使うAIシステム開発を手掛けている、Palantir Technologies Inc.($PLTR)の2025年Q1決算の発表がありました。

私も朝4時50分に目覚ましをセットして、パランティア($PLTR)の決算発表を見守りました。

パランティアの決算内容(2025 年 Q1)

指標実績市場予想*前年同期比
売上高8.84 億ドル8.62 億ドル+39 %
調整後EPS0.13 ドル0.13 ドル+62 %
Q2売上ガイダンス9.34–9.38 億ドル8.99 億ドル
通期売上ガイダンス38.9–39.0 億ドル37.5 億ドル
2025年Q1:パランティアの決算内容

一見、全く悪くない決算内容と思いましたが・・・
決算発表直後、一時$130.05まで一気に株価が上昇して、その後急降下⤵

$PLTRの15分足チャート

方向感が出るまで、少し様子を伺っていましたが、、下↓のバイアスが強い流れに😱

パランティア($PLTR)が決算発表後に下げた要因

カテゴリ詳細
期待値の過熱株価は年初来で+63 %、過去12か月で+400 %と急騰。直近もトランプショックからの立ち直りが早く最高値付近まで上昇。
「AIプラットフォーム銘柄」としての期待が織り込み済みで、投資家の高いハードルを超えきれなかった。
ビート幅が投資家の期待より低かった売上はコンセンサスを上回ったものの、EPSは 一致 にとどまり「大幅上振れ」を期待していた短期勢の利確を誘発。
ガイダンスは上方修正も保守的ガイダンス自体は引き上げたが、直近の株価上昇分を正当化するほどのインパクトはないとの見方が広がった。
SBC(Stock-Based Compensation)費用と希薄化懸念1QだけでSBCが1.5億ドル超(売上比17 %)。
成長率に対し希薄化が依然大きい点を嫌気する向きも。

SBC(Stock-Based Compensation)って何?

ひと言でいうと、現金の代わりに自社株または株式オプションで従業員に払う報酬(給与)です。
GoogleやMetaだけでなく、成長企業の多くが採用しています。

1.SBCはどうやって支払われる?

主な形態ざっくり特徴受け取る側のイメージ
RSU(譲渡制限付き株式)一定期間(例:4年)働けば自動で株が付与される給料の一部が株で入ってくる
Stock Optionsあらかじめ決めた価格で将来株を買える権利株価が上がったら差額で利益
ESPP(従業員持株購入プラン)給与天引きで自社株を割引価格で購入社割で自社株を買う

2.SBCのパターン

パターン株式の出どころ既存株主への影響
新株発行(最も一般的)会社が追加で株式を発行し、従業員に交付発行済株式総数が増え、1株あたりの利益・価値が希薄化
自己株式(Treasury Stock)の再交付過去の自社株買いで保有していた株式を払い出す株数は増えないので希薄化は起こらない(ただし買い戻しに現金を使っている)

3.会社側のメリット

  1. 現金を温存
    若い会社でも優秀な人材を採用しやすい。
  2. インセンティブ設計
    株価が上がれば従業員もハッピー=会社の長期価値と利害をそろえやすい。
  3. 会計上は“非現金費用”
    キャッシュフロー計算書では支出が出ないので、手元資金を厚く見せられる。

4・投資家が見るべきポイント

視点なぜ重要?見るべき指標
希薄化(dilution)株が増えるほど1株あたり利益や価値が薄まる発行済株式数の増加率
SBC÷売上高
GAAP vs Non-GAAPGAAP(会計基準)では費用計上 → EPSが下がる。会社は調整後EPSで上乗せ提示しがち調整後EPSとGAAP EPSの差額が大きすぎないか
トレンド成熟すれば比率は下がるのが自然四半期ごとのSBC/売上比率

今回のパランティア($PLTR)の2025年Q1決算発表の内容から・・

SBC = 1.5 億ドル(売上の約17 %)
まだ高めなので、投資家は「今後この比率が10%→5%へ下がるか」に注視しています。

5.SBCのメリットとリスク

メリット (会社&従業員)リスク (既存株主)
キャッシュ節約株数が増えて1株あたり価値が希薄化
従業員のモチベーションUPGAAP利益が見かけほど伸びない
人材確保・流出防止株価低迷期は報酬として魅力が落ちる

6.どう評価すればいい?

  1. 売上高や営業キャッシュフローに対するSBC比率
    10%以下なら「健全」、20%超えは要警戒が一つの目安。
  2. 株数の増加ペース
    年1〜2%以内なら許容範囲、5%超は希薄化スピードが速い。
  3. 企業フェーズ
    成長初期は高めでも、成熟とともに比率が低下しているかをチェック。

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パランティア($PLTR)のSBCの中身

区分採用状況直近10-Kに記載されている内容
RSU(譲渡制限付き株式)主力サービス条件(在籍年数)付きと、業績連動型(P-RSU)の両方を発行。(SEC)
SAR(ストック・アプレシエーション・ライツ)増加中サービス条件付き・マーケット条件付き(株価⾼騰で自動ベスティング)の2タイプ。2024年はマーケット条件達成で 1.16億ドル の費用を一括計上。(SEC)
ストックオプション残存は少量2020年の上場前に大量付与したが、新規付与は限定的。依然として潜在株式として残存。(SEC)
自己株充当ほぼ無し2024年に約210万株(6,420万ドル)を買い戻し即時消却。従業員付与用の“Treasury Stock”としては使っていない。(SEC)
現金決済なしすべて株式(または株式換算権利)で支給。

直近9四半期(2023年Q1 〜 2025年Q1)の推移

直近9四半期(2023年Q1 〜 2025年Q1)の推移を確認できるよう、$PLTRの発行株式数・EPS・売上高・SBC・SBC/売上高を一覧表にしました。

Quarter希薄化後株式数GAAP EPS売上高SBCSBC/売上高
2023 Q12,217.4M$0.01525M114.7M21.9%
2023 Q22,278.2M$0.01533M114.2M21.4%
2023 Q32,325.6M$0.03558M114.4M20.5%
2023 Q42,357.7M$0.04608M132.6M21.8%
2024 Q12,400.1M$0.04634M125.7M19.8%
2024 Q22,414.7M$0.06642M141.8M22.1%
2024 Q32,325.6M$0.06717M114.4M16.0%
2024 Q42,528.3M$0.03827.5M281.8M34.1%
2025 Q12,552.8M$0.08884M155.3M17.6%

見方とポイント☝️

  1. 株数の増加率
    • 2023年Q1 ⇒ 2025年Q1 で +15.1%(約335百万株)増
    • 特に2024年Q4 は SARs(一括ベスティング)の影響でSBCが膨らみ、株数も跳ね上がっています
  2. SBC比率のトレンド
    • 2023年は四半期あたり $114M前後で横ばい
    • 2024年Q4は一時的に $281.8Mへ急増(SAR加速分)
    • 2025年Q1は通常水準に戻りつつも $155Mと前年同期比で+24 %
  3. 投資家のチェックポイント
    • 希薄化ペース:年間1–2%以内が理想 → PLTRはまだ高め(2024通年で+6 %)
    • SBC÷売上高:2025年Q1は17.6%(売上:$884M/SBC:$155.3M)
             今後10%台前半へ圧縮できるかが焦点
    • 自社株買いとのバランス:現状、自社株買いは希薄化相殺には程遠い規模
SARs(一括ベスティング)とは

SARs(Stock Appreciation Rights):株価の上昇分だけをもらえる報酬制度
一括ベスティング:一定期間後にまとめて付与(それまでは0%)

「将来株価が上がったらご褒美あげるよ!ただし、3年ちゃんと働いてくれたらね」
→ これがSARsの一括ベスティングです。

$PLTRの近9四半期(2023年Q1 〜 2025年Q1)チャート

$PLTRの発行株式数・EPS・売上高・SBC・SBC/売上高の近9四半期(2023年Q1 〜 2025年Q1)の推移を視覚的に確認できるようチャートも作成してみました。

$PLTRの発行株式数・EPS・売上高・SBC・SBC/売上高の近9四半期(2023 Q1 〜 2025 Q1)チャート
形式各指標
棒グラフ(青)Revenue (売上高)
左軸(M)
棒グラフ(オレンジ)SBC左軸(M)
折れ線(緑)Diluted Shares(発行済株式数)右軸(B)
折れ線(赤)SBC/売上高右軸(%)
折れ線(紫)GAAP EPS右軸(¢)
  • 2024年Q4 のオレンジの棒グラフ(SBC)が突出 → SAR一括ベスティングの影響
  • 赤破線(SBC/売上高比率)は 2025年Q1 に 17.6%まで改善したがまだ高い水準
  • 紫点線(EPS:¢)は 2025年Q1 に と過去最高を記録

パランティアの今後の注目点

  1. SBC/売上高の比率が15% → 10%台前半へ恒常的に下がるか
  2. 自社株買いで希薄化をどこまで相殺できるか
  3. EPSが伸びても株数が+1~2%/年を超えれば1株価値は薄まる

上記の一覧表やチャートのように、四半期ごとにこの SBC/売上高比率 + 売上高 + GAAP EPS を並べると、収益性改善が「本物」かどうか判定しやすくなると思いますので、企業分析の参考にして頂ければ幸いです。

今日の格言・・
株式投資は逃げ足の速さも重要👣

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